山口芸術短期大学は、2018年度に創立50周年を迎えました。全国でも数少ない芸術系短期大学である本学は、二木謙吾・初代理事長が明治維新100年を記念して、1968年4月に建学しました。郷土の先覚者・吉田松陰先生の至誠を貫いた人生に感銘を受けた初代理事長は、「至誠」を本学の建学の精神とし、芸術文化の創造と普及を目標としました。この精神を引き継いできた本学は、「芸術を基盤とする教育」を教育の理念として定め、学生個々の特長を伸ばすきめ細やかな教育を通して、時代が求める人材育成に尽力しています。
今日、保育学科は、山口県における幼児教育(保育士・幼稚園教諭養成)において、人材育成の中核的役割を果たしています。音楽、造形、身体表現や劇的表現などの芸術を基盤としたカリキュラムにより、豊かな感性や保育者としての知識・技能を身に付けるとともに、子どもの多様性を受容し援助する姿勢を養う教育を実現しています。芸術表現学科では、今年度から、デザイン・ビジネス・音楽の3専門分野から複数の専門性を修得するとともに、芸術文化科目や教養科目を自由に選択し、広い視野で人生100年時代を「生き抜く力」を身に付けるカリキュラム導入しています。すなわち、時代の変化に対応しながら「未来」を切り拓く人材の育成を目指しています。
新型コロナウイルス感染症がパンデミックとなり、世界は変わってしまいました。ウイズコロナの時代は、徹底した感染症防止対策は勿論ですが、授業形態も遠隔講義の導入や遠隔と対面の両立など、困難な課題が山積です。アニメ映画「天気の子」のサブタイトル"Weathering With You(あなたと共に困難を乗り越えよう)"の気持ちで、21世紀の課題であるパンデミックや気候変動に対して、皆さん一人ひとりが出来ることを創造し、実行して欲しいと願っています。
三池 秀敏
山口芸術短期大学 学長